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桜花秋景 [旅]

桜花秋景「春と秋に咲く四季桜と紅葉の共演」




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桜と紅葉の共演。どちらも主役級の存在感/愛知県 豊田市




 今回は三河地方に、春と秋に二度咲く四季桜と呼ばれる桜と紅葉の共演の撮影に出かけた。豊田市、小原地区は、エドヒガンザクラとマメザクラの雑種である四季桜が、10月から12月にかけて咲きほこる。
 その土地に暮らしていた漢方医が育てた桜の木を、地元の人々が苗木を植樹して、約8000本もの木々へと成長した。

 今回の旅は、鉄道を利用しての旅。近鉄特急で名古屋まで行き、そこから名鉄線で豊田市駅まで。そこから地元のバスで小原地区まで、約5時間の旅程。

天気がイマイチで、今にも降り出しそうな空模様。でも、何とか持ちこたえた天気のおかげでフラットな光線状態の好条件での撮影となった。




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桜の最盛期は若干過ぎていたが、紅葉の時期とのコンビネーションが大切/愛知県 豊田市



 公共の交通機関での撮影取材は、正直、趣味の延長のようなもので、効率はよくない。時間に縛られ、撮影に集中できない等のマイナス点も多い。

 旅の途中のスナップ撮影など、それに見合った撮影取材をしなければならないと痛感した取材となった。




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桜と紅葉の日本でも珍しい絶景の彩りが面白い/愛知県 豊田市





秋色散策 [旅]

秋色散策「秋の東北を巡る旅」




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小安峡の紅葉と清流のコントラストが見事/秋田県 湯沢市




 東北の紅葉は特に美しい。裏磐梯、安達太良山、栗駒山、八幡平、奥入瀬、八甲田など。その中でも、特に栗駒山の紅葉は素晴らしい。どれだけ紅葉のできが不作な年でも、たいがい、栗駒山に行けば外れはないと言うほど。今回は、栗駒山から小安峡にかけての旅を紹介する。

 栗駒山とは、岩手県、秋田県、宮城県にまたがる、日本二百名山のひとつ。麓にある栗駒高原は、温泉や湿原が点在するたおやかな高原。
 紅葉が素晴らしく、シーズン中は多くの観光客で賑わう。




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栗駒山の紅葉は色付きも鮮やかでコントラストが美しい/岩手県 一関市




 この日は、一関インターから西へ向かい、栗駒山へ。途中にある須川橋付近は特に絶景で、美しい彩りに感動した。

 栗駒山頂付近の見所は、野鳥の森の湿原地域。栗駒山荘ホテル付近からの眺めは最高。

 栗駒山頂から栗駒道路を通り、小安街道に入って小安峡に。皆瀬川と紅葉のコントラストが見事で、V字の深い渓谷に紅葉の彩りが映える絶景ポイント。この付近は温泉も豊富であちこちから湯煙が上がっている。

 今回はこのルートを往復しただけだが、十分紅葉取材を楽しめる地域。是非ゆっくりと回ってほしい。




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栗駒山麓では収穫作業で賑わっていた/岩手県 一関市





色彩美麗 [旅]

色彩美麗「北関東の紅葉旅情」




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日の出とともに斜光線に照らされた紅葉が輝きだした/栃木県 日光市




 日光の紅葉と言えばいろは坂に華厳の滝などが有名だが、今回は少し違う地域を紹介したい。

今回は、群馬県、沼田市から、日本ロマンティック街道と呼ばれる国道120号線を通り、栃木県の日光を経由して、関西屈指の温泉地である鬼怒川温泉から奥鬼怒の温泉街までのルートをたどってみた。

 日光周辺は、素晴らしい紅葉の名所。彩りも美しく、東北の紅葉に近い感じ。秋のシーズンには多くの観光客が訪れる。

沼田のホテルを日の出前に出発して、国道120号線を東に向かい栃木県、日光市に入った付近で日が昇り始めた。朝日に照らされ、山の紅葉が美しく輝き始めた。最初の作品がこの時の撮影。

その後、奥日光の代名詞的地域、戦場ヶ原やいろは坂を通って、鬼怒川沿いを北上。

鬼怒川温泉付近のある竜王峡は、奇岩、怪岩がつづく谷間。ここも紅葉が素晴らしい地域。




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竜王峡の紅葉。色合いが美しかった/栃木県 日光市




 鬼怒川は川治温泉付近で大きく西にまがり、奥鬼怒の温泉地に続く。この付近の紅葉も素晴らしく、秘境の趣が感じられる地域。

途中にある蛇王滝は、紅葉の山から流れ落ちる姿に魅了される。

奥鬼怒温泉付近も、紅葉が美しい。秘境の温泉地で体も心もリフレッシュできる。

今年の台風の影響で氾濫し、大きな被害を出した鬼怒川。自然は時々我々に牙をむく。決して奢ることなく、自然と向き合っていくしかないと思う。

被害からのいち早い復興をただ願うばかり。




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紅葉の山を流れ落ちる姿に感動した/栃木県 日光市・蛇王滝





水郷風夏 [旅]

水郷風夏「戦国時代の城下町、近江の里を巡る」




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近江の水郷巡りの船着き場。古い町並みも垣間見える/滋賀県 近江八幡市




 今回の台風の被害は甚大だった。秋雨前線の影響で雨模様も続いた。当初言われていたとおり、今年の夏は冷夏だった。その合間に覗いた青空。今回は澄み切った空を堪能しながらの旅となった。

 今回の旅は、豊臣秀吉が築いた城下町、近江を巡った。滋賀には何度も足を運んでいるが、ほとんど琵琶湖中心の旅で、あまり市街地を回ったことがなかった。なので今回は、鉄道を使って近江の町並みを巡ってみようと思った。


 近江八幡は、豊臣秀吉が商業都市として発展させた、近江商人発祥の地。特に琵琶湖と陸地を結ぶ重要な地で、城がいくつも造られた。

 近江八幡駅から、北に2キロほど行ったところが、新町通り、永原通りと言った古い町並みが保存されている地域。近江商人たちの歴史を感じる。

 日牟礼八幡宮のそばにある八幡堀は水郷巡りの発着場と古い町並みが共存した風景が魅力。夏の情緒が楽しめた。

 東近江市と彦根市の境を流れる川は愛知川。JR稲枝駅から琵琶湖に向かって、愛知川沿いをひたすら歩いた。撮影しながらではあるが、約2時間かけて、7キロほど歩いた。

愛知川は近江の農業に欠かせない水源。川沿いは生活の営みを感じる町並みや、手つかずの自然も多く、被写体は豊富。




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夏の愛知川。自然と生活が共存した風景が魅力/滋賀県 彦根市




 その後、彦根のシンボル的存在、彦根城に行ってみた。いまではゆるキャラのはしり的存在のひこにゃんで有名だが、もともと彦根城は国宝4城のひとつで歴史的価値も高い。

井伊35万石の城下町である彦根の町には、その歴史を偲ぶ町並みが残る。彦根城周辺にも、大名庭園だった玄宮園など、歴史的価値の高い見所も多い。

 彦根城から琵琶湖まではすぐそこ。彦根城観覧のあとは、琵琶湖での夕景撮影で今回の旅は幕を閉じた。




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国宝の彦根城は佇まいそのものが最大の魅力/滋賀県 彦根市






祈願市街 [旅]

祈願市街「被爆70周年の長崎市街地を巡る」




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爆心地付近にあった教会。被爆したマリア像が痛々しい/長崎県 長崎市・浦上天主堂




 今年、2015年は終戦70周年。それと同時に広島・長崎も、原爆が投下されて70年を迎える。しかし今では、8月6日に広島、8月9日に長崎に原爆が投下されたことを知らない若者が多いらしく、若い芸能人が、ネットで炎上したという話も聞いて、残念な気持ちになった。
 だから、今回は被爆70周年を迎えた私の地元、長崎を取材して、もう一度平和について考えたい、考えてほしいと思った。

 被爆して70年もたてば、当時の様子を語れる方が減ってきているという事実が垣間見える。原爆被害の写真等も、以前は至る所にあったが、今ではほとんど見かけることもなくなった。過激な画像ではあるけれど、きちんとメッセージとして伝えるべきだと思う。

 長崎の爆心地は、長崎駅からわずか数百メートルの浦上という町。今では、平和記念公園があり、原爆資料館などの施設もがある。そして、その他にも、至る所に原爆の傷跡が残っている。

 爆心地のすぐ近くに、浦上天主堂があり、教会自体は現在新しくなっているが、当時の被爆した建物の一部が保存されている。その中でも特に目を引くのは、教会の入り口にある、被爆したマリア像。頭部が吹き飛ばされた姿は、爆風のすさまじさを物語っている。なお、破損した頭部も、協会内で保存されているとのこと(おそらく非公開)。

 浦上天主堂から、約1キロほど西に行くと、被爆した神社の鳥居(通称、一本柱鳥居)がある山王神社に着く。ここは、長崎出身のアーティスト、福山雅治さんの歌、「クスノキ」の題材となった、被爆した大クスノキがある。この木は、被爆当初、木の幹が破損し、おそらく枯れてしまうだろうと思われていたが、2ヶ月後に芽吹き、必死に生きようとする姿に、打ちひしがれていた住民も勇気付けられたとのこと。長い年月の果てに、存続の危機に直面していたそうだが、福山さんをはじめとする様々なアーティストさんの寄付の呼びかけにより、危機を脱し、今も元気な姿を見せてくれている。




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被爆した大クスノキ。痛ましいが、その分葉が生い茂る姿に
生命力を感じる/長崎県 長崎市




 長崎には、嬉しい話題もある。「明治日本の産業革命遺産」で、長崎の造船所、炭鉱場、旧グラバー邸などが世界異文化遺産に登録されたこと。特に、長崎半島沖合に浮かぶ、軍艦島(端島)はその人気も高い。当然取材に望んだが、台風が接近していたため、船で近くに行くことができず、残念な結果となった。

 また、長崎の教会群とキリスト教関連遺産がユネスコ世界遺産の暫定リスト入りを果たした。隠れキリシタンの街として根付いた文化が、現在に残っているのがすごいことだと思う。このような現状から、今後の長崎の行方に目が離せないと思う。

 今回地元での撮影と言うこともあり、少し違った感性で撮影することができた。被爆70周年という節目の年、もう一度長崎という街を見つめ直した末、違った魅力が発見できたと思う。

 政治の世界でも、日米安保の話題が出てきている。今だからこそ、もっと平和について若い世代の人たちに考えてもらいたいと思う。

 また、原発再稼働の話も上がり、世界委唯一の被爆国として考えるべきことがまだまだあると思う。

 我々写真家の勤めは、写真を通して様々な今を伝えること。そのために今以上にがんばろうと思ったし、今後、被爆の街長崎として、日本だけでなく世界中に、色々と平和について発信してほしいと願っている。




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世界遺産に登録された軍艦島。近くに行けなかったので超望遠で切り取った/長崎県 長崎市






聖島巡礼 [旅]

聖島巡礼「隠れキリシタンの島、上五島を巡る旅」




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上五島での世界遺産候補、頭ヶ島教会。全国的にも
珍しい石造りの教会/長崎県 上五島町




 7月末、台風12号の接近と重なってしまった今回の上五島の取材。上五島行きの船が出るか出ないかの瀬戸際状態だったが、出発の前夜に台風が通り過ぎ、何とか上五島行きを実行することができた。

 上五島は、長崎県の五島列島の北側に位置する島。中通島、若松島、頭ヶ島は、すべて橋でつながっているのでアクセスは比較適に楽な地域で、観光名所も随所に見られる。

 長崎では、明治6年のキリシタン禁教令が解かれたことにより、自らの信仰の拠り所とするため、次々と教会が建てられた。上五島にも、計29のカトリック教会が建設された。平成19年1月に、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」がユネスコの世界遺産暫定リスト入りし、上五島では頭ヶ島天主堂が候補として上がっている。歴史や文化に触れる旅も楽しい

 上五島の特筆すべき点をもう一つ。それは、海がとても綺麗なこと。そして、小さな島が密集していて、松島や九十九島、瀬戸内に匹敵するほどの、海と島の絶景が楽しめるということ。海を俯瞰できる展望所も至る所にあり、逆光で海に輝いているときなどは最高のロケーションである。




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雲の隙間から光が射し海を照らし出した。聖なる島にふさわしい風景だ/長崎県 上五島町




 上五島は、現在、空港が閉鎖されているため、現行船での旅となるが、海が荒れやすく、結構頻繁に欠航するので注意が必要。長崎市内から高速船で1時間40分程度で行ける。島を回るバスはあるが、満足のいく旅を望むならやはりレンタカーで回ったほうが無難。上五島自体はあまり大きな島ではないので、2~3日で十分回れる。

 上五島は世界遺産候補に文化的景観の街並みや美しい風景など、文化と自然が調和した島。しかも、それらが比較的コンパクトに収まっていて、観光にも適した地。非常に満足のいく旅だった。

 あと、五島の特産品の「五島うどん」は、通常のうどんよりも麺が細めなのが特徴。こしがあり、非常に美味。帰り間際だったけど忘れずにいただきました。




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上五島は海が澄んでいて美しい。特に島間の橋の上は絶好のロケーション/長崎県 上五島町






霧雨慕情 [旅]

霧雨慕情「梅雨時期の旅で発見する雨景色」




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じめじめ気味の天気が棚田の雰囲気に合う/大阪府 千早赤阪村




 最近、撮影取材の移動はもっぱら鉄道を使っていた。これは、自分自身が旅の醍醐味を感じたいから。撮影は、美術的な作品を作ることも重要だけど、やはり、販売用の画像も集めなくてはならず、需要のある画像は何かと考えれば、私ははっぱり旅の景色だと思っている(あくまでも個人の意見)
 そのために、旅の雰囲気を出すための手っ取り早い方法はというと、やっぱり自分自身が旅を楽しむことだと思う。その大事な要素として、鉄道の旅を選んでいる。
 しかし、今回の旅は、梅雨時期の取材ということで、道具も多くなるので、車での取材となった。

 今回は、大和路、紀州路をメインに回った。ルートとしては、
 大阪から葛城山を越えて大和路に、そこから五條、橋本を通って和歌山方面へ。途中に立ち寄った、大阪府、葛城山の麓の村、千早赤阪村付近で雨の兆しが出始めた。
 村内には、日本の棚田百選に選ばれた「下赤坂の棚田」があり、1331年に楠木正成が築いた赤坂城跡地の展望所からの景色が素晴らしい。
 じめじめした天候にふさわしい棚田の風景を撮影したのが始めの作品

 和歌山県、橋本市付近に入ったところで、一度上がった雨がまた降り出した。海南から有田川を目指していたが、途中の生石高原で雨が止み、霧雨状態になった。
 生石高原は360度見渡す限りのススキの原っぱが広がる高原。霧のかかった状態にススキの葉が揺れ、大変風情があった。




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霧に包まれた生石高原の広がりを表現した/和歌山県 紀美野町




 帰りに再び葛城山麓付近によった時は、結構な土砂降り状態。葛城山が雨雲がかかり、恵みの雨といった雰囲気に包まれていた。葛城山麓付近は公園として整備されているが、自然の雰囲気と、田舎の里の雰囲気がうまく絡み合っていてとても魅力的な場所。

 雨の撮影は、とにかく大変。カメラ機材は水濡れに注意しなければならないし、何より自分も濡れてしまう。しかし、雨には雨でしか見られない絶景がある。梅雨時期は雨が多いが、雨だからこそ積極的に撮影に出てほしい。

 でも、気分はやっぱりマイナスになる。そんな時は、とにかくひとつだけ撮影する景色や構図、場所などを決めておくといい。それだけで気分はだいぶ変わってくる。私の場合は雨の情景を思い描き、それに見合った場所を探しながら撮影している。



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雨の葛城山と麓の里の風景が自然と調和されてて美しい/奈良県 葛城市




軍島遊歩 [旅]

軍島遊歩「役目を終えた要塞の島」





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友ヶ島、第3砲台跡。異次元の雰囲気が漂う/和歌山県 沖の島






 友ヶ島は、地の島、沖の島、神島、虎島の4つの島の総称で、淡路島にほど近い、紀伊海峡に浮かぶ島。和歌山市、加太の港から出ている定期船が着くのは沖の島。

 沖の島は、明治から第二次世界大戦中まで、日本軍の要塞施設だった。現在はその役目を終えて、国立公園になっている。

 島自体は、南国の植物が生い茂る無人島であるが、当時の施設がそのまま残されていて、その様子が、森の中の遺跡のようで、まるで異世界に迷い込んだかのような錯覚を覚える。





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第2砲台あと。南国の植物に浸食される施設の様子が今の平和を感じる/和歌山県 沖の島





島には、当時軍施設として利用されていた道がそのまま遊歩道になっていて、山頂から、島の様子と神島、明治五年に立てられた洋風灯台を見下ろすことができる。また、大蛇に纏わる伝説が残る湿地帯などがあり、被写体には困らない。

 最近では、「天空の城ラピュタ」のシーンに似ていると評判で、人気が出ているが、近々行こうと思っている方がいるならば注意点を数点。島には、船発着用の桟橋付近に自動販売機はあるが、熱中症対策の水分は持って行った方が無難。食事も一定の時期以外はできないらしいので弁当も持参で。そして、ここに限った話ではないが、ゴミは必ず持ち帰ること。あと、船の時間を把握しておくこと。最終便を逃すと悲惨なことになる。

 最後に、撮影ポイントの第3砲台跡は、暗いので三脚を持て行くのが望ましい。これが、今回の撮影取材の反省点。






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山頂の展望台からの俯瞰。離れた所に浮かぶ小島は神島/和歌山県 沖の島





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